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【裏】大奥

其の拾参


「秀麗様、上様が今宵の夜伽にとの事です」佐助の言葉に顔を強張らせながらも
「はい・・」秀麗が答える。
体はもうなんともない・・・
ここまで待ってくれたのを、本当は感謝しなくてはならない。

「それと伝言が御座います」佐助が言葉を続けた。
「伝言?」秀麗の代わりに紅蓮が尋ねた。
「はい、準備はせずとも良いとの事でした」
又前回の過ちを繰り返すつもりか?一瞬紅蓮の顔が曇った。

紅蓮の顔を見て佐助は「上様は秀麗様を大事に思っておられます、そう心配なさらずとも・・」
だが秀麗は一言「はい、承知致しました」と佐助に答えた。
そして紅蓮に向かい「紅蓮様、もう大丈夫ですよ」そう笑顔を見せた。


だがその夜、秀麗が部屋に通されると、直ぐに奥の布団の上に寝かされた。
「う・・上様・・秀麗はまだ準備が・・・」
先日の恐怖がつい頭を過ぎってしまう。
そんな秀麗に「大丈夫だ、私が信じられないか?」そういう兼光の顔はとても優しそうだった。

「はい・・上様信じております」
そう答える秀麗の着物の帯をゆっくりと解いた。
前を肌蹴ると、そこには白い陶器のような体が現れた。
兼光はそんな秀麗の横に自分も横になり、その唇に自分の唇を付けた。

「あっ!」それは秀麗が初めて経験する接吻だった。
唇を吸われ、少し開いた唇の中に兼光の舌が入り込んできた時には流石に秀麗も驚いた。
「んんん・・・・」顔を横に振るが、その力には適わない。

秀麗の口腔を兼光の舌が蹂躙する。
逃げる秀麗の舌を絡め取られた・・・
その舌が口腔の薄い皮膚の部分を舐め上げた。
「あ・・・っ」ぞくっとする感触に秀麗が小さな喘ぎ声をあげる。

息も吐かせぬような激しい接吻に秀麗の息も上がり、そっと唇が離れた時には
何とも言えない感覚に、小さく震えた。
だが兼光の唇は、頬を伝いそして秀麗の耳朶を甘く噛んだ。
「あっ!」そんな所を噛まれて声を上げた事が恥ずかしくて身を捩った。

「秀麗・・・ここは気持ち良いか?」
「わ・わかりませんが・・・ぞくっとします」
秀麗のその答えは兼光を充分に満足させた。

首筋から、鎖骨、そしてその唇は秀麗の小さな突起を捕らえた。
「あぁ・・っ」
片方の突起を唇で啄ばむようにし、もう片方は指で捏ねる。
「あぁぁぁ・・・上様・・そこは・・」
「ん?ここがどうした?」
尋ねながらも、その指はコリコリと突起を転がし続ける。

「そこ・・あ・・っあぁ・・・」
「秀麗はこうされるのは嫌いか?」
「あぁ・・・イヤ・・・」
その声が本心から嫌がっているか、そうでないかは秀麗の潤んだ瞳を見れば判る。
その小さな突起をこよりを作るようにぐりぐりと捏ねた。
「あぁ・・・・・上様・・・んん・・・あぁ・・」
秀麗もどう答えていいのか判らなくなって来ている。

舌先でちろちろ舐めながら、片方の手は秀麗の中心に伸びる。
「やっ!上様・・・駄目で御座います・・・そこは・・・あぁ」
秀麗の熱くなった芯はしっかりと、兼光の手の中だ。
兼光は秀麗の耳元に「秀麗・・もうこんなになってるぞ」
「あぁ・・・恥ずかしゅう御座います」

「こんなに濡らして・・・出したいか?」兼光の丁寧な愛撫に秀麗の体も限界に来ていた。
「・・・はい・・・出しとう御座います」
今にも泣きそうな顔で秀麗は答えた。
「秀麗は素直で可愛いな・・・」
兼光は手の中の物をゆっくり扱き始めた。
「あああーーーーっ・・・上様・・・」
手で扱き、そして舌を付けた突起を甘くかりっと噛んだ時
秀麗はその手の中に吐精した。

「上様・・・あぁぁ・・・秀麗は・・・・」
兼光は秀麗の芯と自分の手を手拭いで拭くと秀麗をうつ伏せにした。
項から背中と唇を這わせる。
今夜の兼光はとことん秀麗に奉仕している。
兼光は秀麗の感じる所を探し、そして秀麗を悦ばせる事がとても嬉しかった。

今まで奉仕される立場で、奉仕などした事は無い。
そんな男が初めて全部を自分の物にしたいと願った。
「秀麗・・・今後紅蓮にも体を見せてはならぬぞ」
「上様?」
「準備も後の処理も全部私がする、もう誰にも体を触らせたら駄目だ」

それが嫉妬だとはまだ兼光本人も気づかなかった。

そして秀麗の両方の尻に手をかけ、ゆっくりと左右に開いて行った。

「あっ!」兼光の舌が秀麗の後孔を舐め上げる。
「駄目で御座います・・・」抵抗しているつもりだが秀麗の声はとても小さく弱弱しかった。
両手で広げられた箇所に舌が入ってくる感覚に秀麗が身を捩るが
兼光にしっかりと掴まれた尻はびくともしなかった。

つんつんと突付かれる度に秀麗はぞくっと背を震わせた。
秀麗は敷布をぎゅっと掴みその刺激に耐えた。
だが声は我慢しても、仰け反る背中を止める事は出来なかった。

兼光も内心で秀麗が何処まで我慢できるか、根を上げた時を楽しみに行為を続けた。
秀麗の尻の窪みに油が垂らされた。
「あっ!」それはこれから始まる事を知らせる合図だった。

「秀麗・・・大丈夫だ、優しくする」
その兼光の言葉に秀麗はコクンと頷いた。
入り口を撫で回しながら、指が体の中に入ってくる感覚を目を閉じてやり過ごした。
中を広げながら、かき回すように・・だがそれは性急では無く、優しく・・・

「ああぁぁ・・・・」我慢していた声が漏れてしまった。
一度奥まで届いた指がゆっくり抜き差しされる。
「あぁ・・・っ」
「痛くは無いだろう?」
秀麗は背を向けたまま、頷いた。

「はぁーーん」中で指がぐるりと回される。
自分の声が信じられないくらい甘い声だと気づき顔が熱くなるが
もう甘い声を止められない秀麗だった。

秀麗の体の具合を確認しながら、指を2本に増やした。
「ああっ・・・」
秀麗は肩で息を吐きながら、ゆっくり進んでくる指を受け入れようと努力した。
張型よりも楽な気がした。
作られた物よりも人の手の方が受け入れるのには楽だった。

「やぁーーっあぁ」強い刺激に秀麗の背が大きく仰け反った。
「秀麗・・ここは気持ち良い筈だが?」
「あぁ・・・」気持ち良いとは恥ずかしくて言えないが頷いてその言葉を肯定した。
すると、兼光はそこを集中的にグイグイと押しそして、さわさわと撫でる・・・
秀麗の喘ぐ声を聞きながら、緩急を付けて愛撫している。

「う・上様・・・もう出そうで御座います」
兼光はわざと判らない振りして「何が出そうなのだ?」と聞いてみた。
「う・うえさまぁ・・・・」射精感だけがつのり苦しくなって来た。

「何が出るのだ?」もう一度揶揄するように言いながら、ぐいっと押してみた。
「やあああ・・・・・秀麗の・・・ここから・・あぁ・・・
もう・・上様ぁ・・・秀麗は白いのを出してしまいそうです・・・」
「良いぞ出しても」
「ああ・・・っ・・・出そうで出なくて・・苦しゅう御座います」

秀麗はもう涙をぽたぽた零しながら、どうすれば出るのか判らなかった。
「私の手で、出してやろうか?」
秀麗は自分で扱いた事などは無かった。
先日は散々兼光の手と口で吐かされていた。

「・・・・あ・・・上様・・出して下さいませ・・」
秀麗はもう吐き出さないと苦しくておかしくなりそうだった。

兼光は秀麗の言葉に満足そうに、前に手を回し秀麗の一物を握った。
「あぁ・・・」安心したような声を聞きながら
それでも後孔に入れた指は秀麗の良い所を攻めた。
「ああああーーーっ・・・もう・・あっ・・・出でしまいますー」
兼光が2・3度扱いただけで、秀麗は白濁を吐き出してしまった。

秀麗が達したせいで、兼光の2本の指はぎゅーっと締まった後孔の中で
秀麗の内壁の感触をこれでもいいかと言う程味わった。
『己の物を中に入れたら、どんなに気持ち良いだろうか?』
熱を放出した秀麗は、肩で体を支えるように、荒い呼吸を整えている。

「はぁ・・はぁ・・・」
「秀麗・・気持ち良かったか?」
「・・・・・はい、とても・・・」
そう返事をしながら秀麗は耳朶までを赤く染めていた。

油を足され、指が更に1本増やされた。
「うっ!」流石に3本は苦しい・・・
呻く秀麗の達したばかりの前を扱きながら、増やした指を埋めて行った。
「あぁ・・上様・・もう出ません」
今出したばかりなので、まだ秀麗の一物は小さいままだった。

兼光は手首を使ってぐりぐりと指を回す。
「あああぁぁ・・・・くるしいです・・」
秀麗の狭い後孔の入り口は目一杯拡がって3本の指を受け入れてはいるが
兼光のモノを受け入れるには、もう少し拡げる必要があった。

兼光は根気良く秀麗の後孔の入り口や中を広げた。
だいぶ柔らかく解された後孔から3本の指をゆっくり引き抜いた。

「秀麗・・お前の中に挿れて良いか?」
その言葉に秀麗の身が強張るが、
前回乱暴にされた事を考えると、充分に準備をしてもらった事は
秀麗とて判っている。

秀麗は覚悟を決めたように
「・・はい・・・上様のを・・」そこまで言うと又大きく息を吐いて
そして「上様のを秀麗の中にお挿れ下さいませ・・・・」
秀麗は自分に言い聞かせるように、兼光に乞うた。


「上様のを秀麗の中にお挿れ下さいませ・・・・」
秀麗はその言葉を吐いてからぎゅっと目を瞑った。
熱い肉棒が秀麗の入り口を馴染ませるように撫で回した。
「あ・・・・っ」
撫でられるだけで、それが指なんかよりも遥に太いのが判る。

「秀麗体の力を抜いて」
強張る体からは力が抜けない。
兼光は手を回して、秀麗の小さな尖りを指で捏ねまわした。
「あぁ・・」小さな吐息が漏れた時
兼光はその身の先を秀麗の中に押し進めた。

「あ・・・・・・・・・・・・・」
息が出来ない程の圧迫感が秀麗を襲う。
息を止めたままの秀麗の体は強張ったままだが
ずっと息を止めていられる筈は無く、秀麗が大きく息を吐いた時に
兼光は腰をゆっくりと進めた。

ずぶずぶと半分程埋まるが秀麗の中の狭さに兼光も途中で息を大きく吐いた。
「ああぁっ」秀麗の苦しそうな呻き声が聞こえる。
「秀麗・・・あと半分だ」
その言葉に秀麗が言葉に出さずに首を何度も横に振る。
『もう・・無理』そう言いたいが声にならなかった。

兼光は拡がった後孔の入り口に油を垂らした。
そしてその滑りを借りるように又腰を進める。
「やあぁ・・・・・・・」
生理的な涙を零しながら秀麗は抗うが、もう後戻りは出来ない。
ずずずっと兼光の肉棒が全て埋まった。

「あああぁぁっ」
3度目の交わりなのに、秀麗の体は受け入れる事に慣れない。
「苦しい・・・」
普段そこで息をしている訳では無いのに、息が出来ない気がして苦しかった。

「秀麗・・・全部お前の中だ」兼光の声も上擦っていた。
一度目は薬の力を借りた、2度目は無理やり貫き秀麗を傷つけた。
やっと本当の秀麗を抱けた・・・
兼光の心はこれ以上ない程満たされていた。

秀麗の熱い壁を擦ったらどんなに気持ち良いだろうか・・
兼光がそう考えただけでその肉棒は嵩を増してしまう。
「ああぁ・・・上様・・・」
これ以上大きくしないで・・と責めたくなる。

馴染むまで根気良く兼光は待った。
頃合いを見計らって、少しだけ腰を引く
「あぁ・・・っ」その動きに合わせるように秀麗が呻いた。
秀麗は自分の内臓が引きずられる感覚に呻く。

浅くゆっくりと抽送を繰り返す。
「はぁ・・はぁ・・・・あぁぁ・・・」
肉壁が擦られ度に洩らす声はまだ苦痛の方が強かった。

「ああーっ」秀麗が驚いたような高い声を出した。
兼光は秀麗が反応した箇所を亀頭で擦り付けた。
「はぁーーっ・・・あぁぁ」
ゆっくりと擦ると秀麗の声が少し甘いものに変わって来た。
「秀麗・・ここは良いだろう?」
「あぁ・・・っ」返事の代わりに甘い声が零れた。

何度も中の良い所を擦られる。
「あああぁぁ」
だんだんと兼光の動きが大きくなって来た。
だがまだその動きはゆっくりで、秀麗を怯えさせるものでは無かった。
「はぁーっ」秀麗の萎えてた芯がだんだんと力を増して来た。

後ろから手を回され、扱かれる頃には、もう秀麗の芯からは露が零れていた。
「ああぁぁぁぁぁ・・・上様・・・・」
「秀麗秀麗秀麗・・」耳元で熱く何度も囁かれる。
その頃には腰の動きも早く、扱く手の動きも早くなっていた。
「ああーーーーっ上様!」
そして中の良い所を強く擦られた時に秀麗の芯からは白い液が飛び散った。
「ああああーーーーぁぁ・・・・・・・・・・」

挿入された状態で達した秀麗を見て兼光は嬉しかった。
「あぁ秀麗・・・気持ち良いのか?」
「う・上様ぁ・・・・」
自分が達した事がまだ信じられないような秀麗だった。

そんな秀麗の体を繋がったまま仰向けに変える。
「あぁ・・・」
達したばかりの体は摩擦に敏感に喘ぐ。
兼光は繋がりを深くしたくて、秀麗の脚を大きく開かせた。
「やぁ・・・」そんな格好が恥ずかしくて堪らない。

自分の膝の上に秀麗の腰を乗せ、繋がってる箇所に目をやると
そこはこれ以上ない程拡がり、兼光の太い肉棒を咥え込んでいる。
「秀麗・・」その卑猥で扇情的な眺めに兼光が秀麗の名前を甘く呼ぶ。
「判るか秀麗・・・全部お前の中だ・・・」感慨深げにその拡がった皮膚を撫でる
「ああ・・・・っ」そこへの愛撫は刺激的で、そして何とも言いがたい快感を秀麗に与えた。

「う・上様・・・・」
もう本当に後戻りは出来ない・・
自分の意思で繋がった・・・
そう思うと秀麗の瞳からは涙が零れて止まらない。

「秀麗・・何故泣く?」
兼光の問いに秀麗は答える言葉が無かった。
「辛いか?」
秀麗は黙って首を横に振った。
肉体的な辛さはもう殆ど無い・・その事が逆に辛かった。

「秀麗・・・秀麗の中で達したい」まだ一度も吐精していない兼光だ。
「・・・はい上様」
秀麗は辛い心にそっと蓋をし、兼光に身を任せた。
「ああ−−−−」

揺す振られる度に目尻に流れる涙はもうさっきの涙と同じ涙なのか秀麗にも判らなかった。
「ああぁぁぁぁ・・・・」
秀麗の艶かしい顔と声に煽られ兼光は秀麗の中に吐精した。
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