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【裏】大奥

其の六


秀麗は後孔の入り口に熱く硬い物を感じた。
吐く息までも震えているのが自分でも判る。
「秀麗・・」今までに聞いた中で一番優しく感じた兼光の声に初めて目を開き
目の前にいる男の顔を見つめた。

「う・上様・・・・」秀麗の怯えた目は兼光の嗜虐心を煽ってしまいそうだ。
「・・・・ん」秀麗は深く息を吸いその時に備えた。
熱い肉棒が秀麗の狭い入り口に侵入しようと試みている。

「秀麗、息を吐いて」紅蓮の言葉に吸った息をふーっと吐いた。
その瞬間を見逃さない兼光がぐっと腰を進めた。
「あっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」秀麗は声にならない叫びをあげた。
ほんの先だけが秀麗の体と繋がっている。

体を引き裂く痛みに一瞬秀麗が気を失い
そして、その痛みに又覚醒する。
本来受け入れるべき器官では無い事など、医者の息子でなくても判っている。
だが秀麗の体を大きく開き、そこに自分では無い他人の器官が差し込まれている。

「やああああーーーーーっ!父様ー母様ぁー・・・・」
覚醒した瞬間に秀麗が叫んだ名前は兼光でもなく紅蓮でも無かった。
痛みによる生理的な涙が秀麗の瞳を濡らしている。

そんな秀麗を見て兼光が腰を引きかけた
「上様、今止めてしまう方が後々秀麗には辛い事ですよ」
秀麗は朦朧とする意識の中で紅蓮の言葉が悪魔の囁きにように聞こえた。

紅蓮の言葉を受けて、兼光がゆっくり腰を進める。
それはメリメリと音を立て秀麗の体を引き裂いた。
「ああ・・うっ!上様・・・痛い・・・・苦しい・・・上様もう止めて・・」
その物言いは行儀の良い秀麗がいかに辛いかを物語っていた。

兼光が又少し腰を進め先の太い部分を沈めた。
「ああっ!痛い・・痛いです・・上様・・・痛い痛い・・・・」
頭を振りながら、もう秀麗の口からは痛いという言葉しか出て来ない。

兼光はもう一度紅蓮を見た。
だが紅蓮は黙って首を横に振るだけだった。

「秀麗・・もう少し我慢してくれ」
まだ頭だけのそれをゆっくりと埋め始めた。
「ああ・・・・・・・・・・うっ・・うっ・・・」秀麗は唇を噛み締め耐えていた。
兼光はこのまま一気に突き進みたい思いを堪え、今までに無くゆっくりと繋いで行った。

今までこんなに繋がりたいと思った子は居なかった。
それが今自分の下で痛みに耐えながら泣いている。
自分は酷い男だと思いながらも秀麗と繋がる事を諦めたくは無かった。
兼光はその気持ちを何と言えばいいのか判らなかった。

「秀麗・・全部挿れるぞ」兼光の言葉に
秀麗が激しく首を振った。
だが秀麗の抵抗など何の意味も無い。

後孔が更に拡げられ、壁がぎちぎち悲鳴を上げている。
「はあっ・・・ああ・・・・・・・」
兼光が秀麗の細い腰を掴んで、自分の物を進めながら、そして秀麗の腰を引き寄せた。
「あああああーーーーーっ・・いっ・いやあーーーーっ」
秀麗の内壁は熱い肉棒で埋め尽くされた。

「・・・秀麗・・・もう私のものだ・・・」
兼光が感極まった声で呻くように囁いた。
ぎつぎつの中は兼光とて辛い。

秀麗は自分の体の中に兼光の全てが埋まった事を察した。
あんな大きな物が自分の体に埋まってる事が信じられなかった。
だが、この痛みと圧迫感、そして何よりも何かが体に挟まっている感覚が
それが事実だと教えてくれた。

「う・上様・・・・・・秀麗の体は・・・壊れては・・いませんか?」切れ切れの声で秀麗が尋ねると
「少し入り口が裂けたかもしれない・・・すまぬ」
兼光は微かに血の臭いを嗅いでいた。
裂けたという言葉に秀麗の唇が震えた。

「あぁ・・上様・・これで・・これでもう終わりで御座いますよね?」
秀麗の縋るような眼差しに兼光が言葉に詰った。
「秀麗、これからですよ」紅蓮が横から口を挟んだ。
「えっ?」
「これから上様の物で中を擦ってもらいます、そうしたら上様もお気持ちが良ろしいですし
秀麗も今日は辛いかもしれないけど、だんだんと気持良くなりますから」

「中を?・・・・」秀麗は先日見た兼光と紅蓮の繋がりを思い出した。
あの上様の大きな物が紅蓮の後孔を何度も刺し貫いていた事を。
「やぁ・・・」怯えたようにいやいやをする秀麗だが、挿れただけで事が終わる訳は無かった。

兼光が動かずじっと馴染むのをまっていると秀麗の中に変化が起きてきた。
「あ・・っ」小さな喘ぎが零れるのを唇を噛んで耐えた。
秀麗のそんな些細な事も見逃さない紅蓮が
「秀麗、そろそろ薬が効いてきたみたいですね」と声を掛けた。

「薬?・・・・・あれは嫌で御座います」
昨日薬のお陰で自分が自分で無くなった。

ズクン・・・・秀麗の体の中で何かが目覚めた。
「あ・・・っ」
秀麗の中が熱く蕩けるようになってきた。
「秀麗?」兼光が秀麗に声を掛けるが、秀麗は潤んだ瞳のまま呆然としていた。

兼光の肉棒を受け入れた体の中が、熱くむず痒く、そしてそこだけが呼吸しているような感じになってきた。
自分の体の変化に心が追い着かない。
「う・上様ぁ・・・・あぁ上様」
うわ言のように兼光を呼ぶ秀麗に声を掛けた。
「秀麗・・・動くぞ」と。

ずるっと肉壁が剥がされるような感じがして「ああっ!」と秀麗が喘いだ。
ドックンドックンと肉壁が呼吸している。
肉が引き摺られ、そして又押し戻される。
「あああ・・・・っ・・・怖い・・・」
この感覚をどう表現していいか判らない秀麗は怖いと・・・・啼いた

肉が引き摺られ、そして又押し戻される。
「あああ・・・・っ・・・怖い・・・」
この感覚をどう表現していいか判らない秀麗は怖いと・・・・啼いた

痛かっただけの後孔がむず痒く、そして僅かにピリピリと痺れるようだった。
ゆっくりと兼光は抽送する。
「あぁ・・・・・・」
そのむず痒さを肉棒が癒してくれる。
だが圧迫感が無くなったわけでもない。

兼光の抽送が少し早くなった。
「あぁぁ・・・上様」
この感覚をどう表現すればいいのか秀麗には判らない。
「秀麗・・・・まだ辛いか?」
「わ・わかりません・・・変な感じなんです・・」

『怖い・・・私は何処に連れて行かれるのだろう?』

兼光が秀麗の片膝を抱えこんだ。
「あああっ!」
その体勢のせいで、より深い所に肉棒の先が当たった。
兼光が大きく腰を引いたので、秀麗はこれで終わりなのか・・・と思ったが
その瞬間にそれは激しく叩き付けられた。

「いやぁーーーーーっ!」
咄嗟の事に悲鳴を上げたが、中を激しく擦られてあのむず痒さが少しだけ治まる。
「あぁぁ上様・・・・」
激しい抽送を何度か繰り返されるうちに
秀麗はそれを気持ち良いと感じるようになってきた。
だけど、男の肉棒で中を擦られ、良い気持ちになる事が
自分が今まで生きてきた全てを否定するようで怖かった。

「秀麗・・・どうだ?秀麗の中は熱くて狭くて・・・凄く良いのだが?」
「はぁっ・・・上様・・・秀麗も熱くて堪りません・・」
「そうか、ではもっと熱くしてやろう」兼光は甘く囁く。
「・・もっと?」

兼光はもう片方の秀麗の足も担ぎ上げる。
「やっ!」
兼光の肩に両足を掛けるような体勢に秀麗が抵抗するが
「ほら秀麗・・・これならもっと奥まで届くし、秀麗の良い所にも当たりやすい」

兼光は一度自分の肉棒を秀麗の再奥まで突き刺した。
「やああぁぁあーー」
どこまで自分の体は続いているのだろう?
「あぁぁ上様・・・奥まで上様のが・・当たっております・・・」

少し治まっていたむず痒さがぶり返してきた。
「う・上様・・中が・・中をもっと擦って下さいませ」
「こうか?」口元を緩めながら抽送を深く浅く繰り返す。

「ああぁぁぁ・・・気持ち・・・いいです」
その感覚はもう気持ち良いという以外の何物でも無いような気がした。
「そうか気持ち良いか?」兼光が満足そうな笑みを浮かべた。

そう言うと、兼光は秀麗の中の少し盛り上がった場所を亀頭で擦る。
「あああぁぁぁぁぁぁ」
秀麗は自分の体がもう自分の物では無い感覚に嬌声を上げた。
もう最初に感じた引き裂かれる痛みも感じなくなっている。

「ここが良いのだろう?」兼光が集中して秀麗の良い所を攻める。
「あっ・・あっ・・・あぁーーーっ」
体の中が熱くて蕩けそうだ。
「う・うえさまぁ・・・・」

「ここも気持ち良さそうだな」少し揶揄するように秀麗のモノを指で弾いた。
「あぁ・・・・そこは駄目です・・・」
触れられて秀麗は自分の一物が熱く硬くなっている事に初めて気が付いた。
「何が駄目なのだ?こんなに腫らして」
そう言われる事が恥ずかしくて堪らない。

そこをそっと握られただけで、秀麗の後孔がぎゅっと締まる。
「うっ・・秀麗・・そう締め付けるな」兼光も堪え切れない風に言う。
「締め付けてはおりません・・・あぁ・・」
『淫らな自分をこのまま殺して欲しい・・・・』

「秀麗・・・四つん這いになりなさい」
『いや・・あの格好は嫌だ・・・・』
秀麗は兼光の肩から足を下ろされ、その体を回転させられた。
「あああぁぁぁ」
繋がったままぐるっと中を肉棒が回転する。
その刺激は秀麗の最後の砦を崩した。

「あぁぁ・・上様・・気持ち良いで御座います」
四つん這いになった秀麗の腰を掴み、最初はゆっくり馴染ませるように
抽送するが、その動きはすぐに激しい動きに変わった。
「あっあっあっ・・・・」
突かれる度に甘い声が漏れる。

『母様・・・ごめんなさい・・・秀麗はもう駄目です・・・気持ち良いんです・・・』
兼光の手が前に回され、秀麗のモノを掴んで、扱き始めた。
「やっ!上様っ!」
ぱんぱんに張った秀麗のモノは触れられただけで、鈴口から涙を零す。
「ああぁぁぁ・・・・」

少し離れた所で二人の営みを見守っていた紅蓮が口元を緩めた。
あの兼光が秀麗に奉仕している・・それにも驚くが
初めて肉棒を受け入れた秀麗の乱れようにも驚いた。
勿論、事前に紅蓮が挿入した媚薬のせいでもあるのだろうが
『もう秀麗は男の体無しでは駄目だろう・・・』そう思った。
そして兼光も秀麗を暫くは離さないだろうと。

「小次郎・・・・」紅蓮は今はもうこの世に居ない好きだった男の名前をそっと呟いた。
1年の年季が明けたら、良い医者を探し必ず病気を治してやると誓ったのに
小次郎は紅蓮が城に上がった三月後には、この世を去った。
年季が明けた時に『もう此処に居る理由は無い』と思ったが
外の世界に戻っても、もう小次郎は居ない・・・

ぼんやりとそんな事を思っていた。
「ああーーーーーーっ!うえさまぁーーーっ!」
秀麗は泣いているのだろうか?
鼻にかかったような甘い嬌声が聞こえて来た。
小次郎にも良い思いをさせてやりたかった・・今だからそう思った。
あの頃はまだ紅蓮も男と男の繋がる方法など知らなかった。

視線の先にぐったりとした秀麗が写る。
『気をやったか・・・』
紅蓮は後始末をしてやろうと、静かに立ち上がった。
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