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【裏】大奥

其の七


「秀麗大丈夫ですか?」
そう言いながら秀麗の顔を覗き込み尋ねると
「あぁ・・・紅蓮様・・・まだ・・上様のが大きいので御座います」
紅蓮は一瞬何を言ってるのか理解に苦しんだ。

兼光に向き直り「上様はまだ?」まだ気をやってないのか?と聞きたかったが言葉を濁した。
「いや・・・」
こんな困った顔の兼光を見るのは初めてだった。

「秀麗の中に出したのだが・・・まだ小さくならぬ」
繋がったままの体を眺めながら、困った顔をするが、紅蓮にはそれが誇らしげに見えた。
「何と上様は絶倫であらせられます事・・・」
『あっ!あの薄紅色の寒天玉か・・・』
あれは内壁だけでは無く、入れた方にも効果があるのだろう、そう思った。

「ああ・・・っ!」秀麗が驚きの声を漏らした。
「秀麗・・・私はまだ足りぬ」
「う・上様・・・・」
「上様秀麗を壊さないようにお願い致しますよ」
お願いというよりも命令に近い言葉だった。

「判っておる」
そう言ったかと思うと、もう腰を動かしていた。
「あっ!上様・・・もう・・・秀麗は・・・ああぁ」
「秀麗・・・もっとそなたに喜んでもらいたい」
「う・上様・・・」その秀麗の声はもう承知したと言わんばかりの艶があった。

兼光が秀麗を膝に抱き上げ突き上げた。
「あああーーーーあぁぁ」
兼光の体に揺さぶられる秀麗がその首に腕を絡めた。
「あっあっあぁぁぁ」
その声は苦痛の声では無い事など、ここに居る3人ともが判っている。

その営みはもう金で買われたそれでは無い気がする。
だが仰け反った秀麗の目尻から涙が零れている。
『秀麗その涙は歓喜の涙なのか?』
二人を引き離して聞いてみたい衝動に駆られた。

「では、私は少し席を外します、後ほどお伺い致します。」

そんな紅蓮の声が聞こえているのかいないのか?
紅蓮は小さな溜息を吐きながら、一度部屋を辞した。

「あっ・・あっ・・・上様ぁ・・・・ああぁぁぁ・・」
秀麗の艶かしい声に送られているようだった。

部屋に戻ると小雪が駆け寄って来た。
「紅蓮様、秀麗と上様は上手く行きましたか?」
興味津々で目を輝かせる小雪に「上手く行き過ぎだ」と呟いた。

「小雪、ちょっと此処に手をついてごらん」
紅蓮は普通に手を突いた小雪の腰をぐいっと掴み、着物の裾を捲った。
「あっ!紅蓮様・・・」
だが紅蓮に抱かれ慣れている小雪の声は期待の色が含まれていた。

紅蓮は小雪のまだ解さぬ後孔に、さっき秀麗に使ったのと同じ
薄紅色の寒天玉を押し込んだ。
「ああん・・・紅蓮様何を?」
「小五郎の新薬だ、試してみるぞ」

紅蓮は初めて男を受け入れたのに、秀麗のあの乱れ様が信じられなかった。
元々素質があったのか?それとも単に薬のせいなのか?
それを知りたくて、そして自分も二人の営みを見てこのままでは眠れないと思っていた。
この熱を放出させなければ・・・・

『秀麗は可愛く啼いておったな・・・・』
心の底では否定しながらも、快感に流されてしまう
そんな自分をまた否定している・・・
その葛藤が逆に嗜虐心を煽るし、艶かしい。

「今頃上様に組み敷かれ、どんなに艶かしい声で啼いているのやら?」と思うと
自分の体が再び熱くなって来た。
「小雪、お前の体で私を満足させてくれるか?」
「紅蓮様・・・早く抱いて下さい」

まだ薬が効いて来た訳では無さそうだが、
抱かれる事に慣れてしまった小雪の体は紅蓮の熱い言葉だけで反応してしまう。
『一度交わってから様子を見に行くか・・』
そう思いながら、小雪の後孔に手を伸ばした。

自分で油を塗ったのだろう、そこはもうぬらぬらとしていた。
小雪の蕾を解しながらそっと指を入れてみた。
「あ・熱い・・小雪・・・どんな感じだ?」
「あぁ紅蓮様、熱くて痒くてじんじんするんです」

そんな素直な小雪に口元を緩めて、その蕾に己を熱を押し込んだ。
「ああぁぁぁ・・・っ、凄い・・・紅蓮様大きいっ!」
小雪が歓喜の声を上げた。

秀麗の狭さはこの指が知っている。
あの狭い場所がこんなに蠢いていたら、上様とて堪らぬだろう・・・
紅蓮は小雪を激しく突きながら、頭の中では秀麗を抱いていた。
秀麗を見るとどうしても忘れられない男を思い出す。
特に何処かが似てるという訳では無いのに、何故か思い出す。

「ああぁぁぁ紅蓮様・・・・凄いあぁ・・こんなの初めてー」
中が疼くのか、小雪が腰を振っている。
「此処か?」紅蓮も小雪に合わせて、激しく抜き差しを繰り返した。
「はぁーーーっ!もう駄目ーーっ」
触れられもしない一物から白い液を飛ばしながら小雪がガクンと腰を落とした。

小雪の中は熱く蠢き、秀麗の事を考えていた紅蓮はあっという間に持って行かれた。
「うっ!小雪出すぞ」
「ああーーっ・・紅蓮様ぜんぶぅーー下さい」
小雪は何度も痙攣を繰り返し、そして何度も気をやった。

本当に一度出したくらいでは、萎えぬ己を見て驚いた。
『上様はまだ秀麗を突いてるのだろうか?』
そう思ったら、『止めさせなければ・・秀麗が壊れる』本気でそう思う程
この薬の威力は絶大だった。

「小雪、待っておれ」そう小雪に言い残し、もう一度二人が交わる部屋に戻った。
襖の前に立つが、部屋の中は異様に静かだった。
「上様、失礼致します」
そう声を掛けても返事すら無い。

紅蓮はそっと襖に手を掛け開けた。
そこには、横たわる秀麗を愛しい目で見つめる兼光がいた。
横たわるというか・・殆ど失神しているようだった。

「上様・・・秀麗を連れて行きますが、宜しいでしょうか?」
「何故だ?此処で休ませてやれば良いではないか?」
片時も離れたくない雰囲気の兼光に向かい・

「秀麗の体を綺麗にしないと、後で秀麗が辛いですから、
清めてから軟膏をすり込んでおかねばなりませぬ故」
「上様にも湯に入ってもらいます、小姓たちが準備しております」

「秀麗は大丈夫か?」兼光が心配して伺うが
「数日安静にしておれば大丈夫でしょう・・・
それに上様におかれましては、明日からは表での生活で御座りますから
塩梅が良いかと存じますが?」

「表か・・・・」忌々しそうな顔で兼光が呟いた。
兼光の寝所は表と裏、七日で交代する事に取り決められていた。
その取り決めを破る事は絶対許されない事だった。

もしそれを兼光が破ると、即時裏大奥は取り潰しになってしまう。
世継ぎを生ませる事が将軍たる兼光の、兼光にしか出来ない仕事だったからだ。

では、と兼光に合図して意識の無い秀麗に襦袢を羽織らせ
そして、抱きあげる。
その時秀麗の後ろから、薄赤い色した兼光の放った液が零れて白い敷布を汚した。
その染みを見た兼光も紅蓮も痛ましい物を見てしまったというような顔で秀麗を見つめた。

秀麗は温かい湯の中で目を覚ました。
自分の後孔に誰かの指を感じて違和感で目が覚めた。
「やっ!もう無理で御座います・・・」
その声は喘ぎでは無く怯えたような声だった。

「秀麗、私ですよ・・」
秀麗はその声に自分の体を支え後孔に指を入れているのが誰だか判った。
「紅蓮様・・・・」
秀麗の強張りが少し解れたようだった。

「秀麗、今中を綺麗にしている所だから、少し我慢をおし」
「は・はい・・」言われてみれば、その指の動きは中から何かを掻き出すような動きだった。
「秀麗、次からは自分で後始末をするんだよ」
「・・・はい」
「それにしても秀麗の中は狭いな・・・さっきまで上様の物を銜え込んでいたとは思えないな」

その言葉に秀麗が耳まで赤くするのが判った。
「紅蓮様・・・秀麗の体はおかしくなってはおりませんか?」
「ん?」
「あ・あの・・・大きな穴とかは開いてはおりませぬか?」
秀麗はもしかして、自分の体に大きな穴でも開いてしまったのではないかと思っていた。

そんな秀麗に口元を緩めながら
「大丈夫だよ・・・もうこんなに小さくなっている」
そう言うと紅蓮はその指をぐるっと回転させた。
「つっ!」
「ほら、秀麗も判るだろう?こんなに狭くて、私の指1本がやっとだ」

秀麗は安心すると同時に又あのような行為に及ぶと今夜のように痛いのだろうか?と不安も感じた。
秀麗の心を読んだように紅蓮が
「大丈夫だよ、そのうち慣れるから、それに上様もご無体はなさらない筈」
「・・・紅蓮様」
紅蓮だけが頼りだと言う目で見つめられ、紅蓮の体が反応して行く。
全部の熱を放出した訳では無かったし、一度治まった熱も
秀麗の体の後始末をするうちに、どんどん蓄積されて行った。

「さぁ綺麗になった、上がったら軟膏を塗ってやろう」
「・・・・・紅蓮様?」
「何だ?」
「紅蓮様の雰囲気がいつもと違うんですけど・・」

紅蓮は今まで秀麗の前では女でいた。
だが、何時の間にか秀麗の体の前で、つい男に戻っていた事に言われて気づいた。
「・・・これが本当の私だ」
そう言うと秀麗の体を抱き上げ湯船から立ち上がった。
「紅蓮様・・自分で歩けます」
「そうか」と言って秀麗を下ろすが、下ろした途端腰から砕ける。

「あっ・・・・」
「まだ歩くのは無理だ、判っただろう?」
「はい・・・紅蓮様・・今の紅蓮様の方が素敵です」
「そうか?では褒めてもらった礼に、中までたっぷり軟膏を塗ってやろう」
そう揶揄するように言うと、抱き抱えられた秀麗の頬が少し赤くなった。

秀麗が連れて行かれたのは、見覚えのない部屋だった。
「ここは?」
「今夜からここが秀麗の部屋だ」
上様のご寵愛を受けた者に与えられる、立派な個室だった。
子が産めない男は、ご寵愛を受けただけで、もう周りの対応が違ってくる。

「明日から上様は、表に赴かれる七日はゆっくり出来るぞ」
そう言われ、秀麗が少し安堵の溜息を吐いた。
「さあ軟膏を塗ろう、躾する時のような体勢をとりなさい」
紅蓮に何でも無い事のように言われるが、秀麗は身を固くした。

「ほら」と腰を引かれ、裾を捲くられる。
秀麗は抗う事を止め、ただ紅蓮の処置が終わるのを大人しく待った。
紅蓮の指は蕾の皺1本1本に塗りつけるように丁寧だった。
「中も塗るから、息を吐いて」
そう言われて、秀麗が小さく息を吐いた。

ぷつんと指が挿入された。
「あ・・・っ」それは、はっきり言って喘ぎだった。
紅蓮はその声が聞こえなかったふりして事務的に軟膏を塗りつけて行った。
「うっ・・・うっ・・・」噛み締めた唇から漏れる声は嗚咽だった。

紅蓮が静かに話し始めた。
「初夜を迎えた夜には皆3度泣く・・・
一度目は痛さや辛さに・・
二度目は快感に・・・
そして三度目は、快感に溺れてしまった己に・・・」

その言葉は秀麗の胸にすーっと沁みていった。
その言葉が子守唄のように秀麗が深い眠りに就いていった。

秀麗が寝付いたのを見届けると、小雪の待つ部屋へと戻った。
「もう紅蓮様遅い」
小雪はじっと堪えて待っていたようだ。
「小雪は可愛いな」揶揄するように言いながら
紅蓮の一物をひくひくさせながら待つ後孔へと己を沈めて行った。

「あぁぁぁ・・・紅蓮様ぁ・・・」
挿入した瞬間に小雪は嬌声を上げた。
紅蓮ももう止まらない。
小雪の膝裏を持ち上げ、殆ど肩だけで体を支えさせる。
そして、ほぼ垂直に小雪の体に楔を打ちつける。

「あああーーーーー凄いーーーああぁぁぁ」
直ぐにでも吐精してしまいそうな小雪の根本を握りこんだ。
「やぁーーーっ紅蓮様ーーーーああーーん」
小雪も苦しい体勢なのに、どんどん紅蓮を煽る。

「紅蓮様ーもう出るーーっ・・あーーーっ紅蓮様ー」
いつも感情を隠そうとしない小雪だが今夜は一層大胆だった。
「あぁぁ気持ち良いです・・・あぁいい・・いい・・・もう出る・・紅蓮様っ!」
根本を締められているので、射精出来ないはずなのだが
出るという感覚は無意識が感じているのだろう。

小雪が後孔を痙攣させながら、気を何度もやっている。
紅蓮も小雪の中に放出させながら、その手を緩めてやる。
「あ・・・・・・ぁぁ」小雪はびくびくと己の一物を震わせながら、気を失って行った。


怒涛の1日が過ぎた。

翌朝、紅蓮が秀麗の様子を見に部屋を訪ねると
秀麗がぼんやりと部屋から見える庭を眺めていた。

「しゅ・・・」紅蓮が声を掛けるのを躊躇う程に、その横顔は寂しそうで、そして艶かしかった。
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